クーリングオフは、消費者から一方的に商品やサービスの契約を解除できるという、消費者保護のための強力な制度ですが、すべての契約にこの制度を適用していては、円滑な商取引が成り立たなくなってしまいます。そこで、クーリングオフができる契約の類型は、主には特定商取引法と呼ばれる法律のなかで限定的に列挙されており、それ以外の契約については、クーリングオフは不可能となっています。
基本的に、クーリングオフの対象となるのは、訪問販売やキャッチセールスなどのように、巧みなセールストークによって消費者がよく考える暇もなく契約を結ばされてしまったり、悪徳業者に騙されたりしがちな契約類型に限られます。
いっぽうのクーリングオフの対象外となる契約類型としては、消費者の側からわざわざ事業者を自宅に呼び出して契約をするものが典型的です。この場合、最初から消費者に商品やサービスの購入意思があったことになりますので、法律で保護するだけの社会的な利益に乏しいということになります。
また、自動車や運搬車の購入契約なども同様で、一般的に高額な商品であることは明らかで、よく考えずに契約をするおそれが低いため、クーリングオフの対象外となっています。
さらに、みずから経営する商店で販売する商品の仕入れとして行った契約のような、営業上の契約についても、立場の弱い個人としての消費者の保護という法律の趣旨とは相容れないため、対象外となっています。