クーリングオフは、消費者が商品やサービスの申込みまたは契約をしてから一定の期間以内であれば、理由を問わず、無条件で、申込の撤回や契約の解除ができるというしくみをいいます。
通常、消費者がこうした商品やサービスの申込みを行った場合、事業者が承諾をすれば契約が成立しますが、例えば商品購入にあたってクレジットの審査があるなどの理由で、申込みから事業者の承諾までの間にタイムラグが生じる場合があります。この間に消費者がクーリングオフを使った場合は、申込みの撤回となり、契約は未成立のままで終了します。
いっぽう、契約成立後にクーリングオフを使った場合には、その契約は法律上は契約時に遡って消滅します。これを法律用語で「遡及効」と呼んでいます。その際、契約の当事者である消費者と事業者の双方に、契約がなかった状態に戻す義務が生じます。これが「原状回復義務」と呼ばれているものです。
この「原状回復義務」によって、事業者がすでに代金を受け取っていれば消費者に返金する義務がありますし、消費者の側でも商品を事業者に返還する義務があります。ただし、使うと価値がほとんどなくなる石鹸や防虫剤のような消耗品については、このクーリングオフの適用範囲外です。
また、「原状回復義務」の例外として、物ではなくサービスを契約した場合については、クーリングオフ前に受けたサービスは物理的に返還が不可能なため、金銭での対価の支払いも不要となっています。